アトピーとストレス

アトピーについてネットで調べると、ストレスは大敵だと良く耳にするかと思います。
ストレスとは悲しい事、苦しい事などマイナスイメージが浮かびやすいと思いますが、嬉しい事、楽しい事も含まれます。
そのストレスが皮膚にどのような影響を与えるかについて記事にしてみました。
アトピーの皮膚
まず、アトピーの患者さんは皮膚のバリア機能を保つ天然保湿因子(NMF)がきちんと働いていません。
このバリア機能が働かない事で色んなものに過敏に反応してしまい、炎症をおこし、痒くなってしまいます。
NMFの成分の内訳をみると40パーセントがアミノ酸、つまりタンパク質でできています。
このNMFが減る原因ですが、ストレスがかかり続けることによって副腎からコルチゾールと言うホルモンが慢性的にたくさん産生される事にあります。
コルチゾールの働きは、タンパク質を分解しエネルギーを確保する事なのですが、出すぎて分解しすぎた結果、皮膚のサイクルが乱れ、NMFがガタガタになり、防御力の弱い皮膚が出来上がってしまいます。
この防御力の弱い皮膚ができると些細なことでアレルギー反応が起き、痒みが生まれてしまいます。
これがアトピー性皮膚炎の大きな原因の一つです。
したがって、アトピーでストレス過多の人は、やはり原因もストレスから来ている事が多いので(環境、遺伝的なものもある程度はありますが)、お薬と並行してストレスを受けにくい考えに切り替え、コルチゾールを産生しすぎない身体にする必要があります。

ストレスを受けやすい人
以上の事から、アトピーはストレスと強く関係していると言えます。
そうすると、アトピーを完治させるにはストレスを受けにくくする必要があります。
アトピーの方でよく見られるケースとして、自分の考え方の癖がアレルギーの原因になっている事があります。
ストレスを受けやすい人と受けにくい人の特徴として
- ストレスに強い人
-
- 自分の長所に着目している(自己評価が高い)
- 物事はうまくいくと考える(自分がサイコロを振ったら人よりも良い目が出ると考える)
- 将来、自分がより大きな人間になっていると想像できる
- ストレスに弱い人
-
- 自分の短所に着目している(自己評価が低い)
- 物事はうまくいかないと考える(自分がサイコロを振ると人よりも悪い目が出ると考える)
- 自分の将来が想像できない
などがあります。
楽観的か悲観的かということですね。
楽観的が決して良いというわけではなく、過ぎると物事を深く考えなくなってしまいます。
悲観的だと細部まで気が利くので、何事も完成率を高くこなしてくれます。
しかし、それに乗じて考え事も多くなり、ストレスも多くなります。
偏りすぎず、真ん中がちょうどいいですね。
考えすぎとアトピー
前の記事に漢方で言うとアトピーの人は脾が弱いと書きましたが、昔から「過思(思慮が過ぎる)は脾を傷つける。」と言われてきました。
脾は肌と密接な関係にあるので脾の弱りは肌の弱り(アトピー)に繋がります。
西洋医学でみても、考えすぎると人一倍ストレスを受けると言うことは

↓
人一倍副腎からコルチゾールがでる
↓
人一倍肌のたんぱく質分解が進む
↓
人一倍防御機能の弱い皮膚ができる=アトピー
となる事から、考え過ぎな部分があれば変えていくと肌も変わりやすくなります。
考えすぎと漢方治療
漢方では、考え過ぎもアトピーもあるという方は何らかの原因で血が全身を循環していないと考えます。
漢方で言う血とは西洋医学の血とは少し概念が違います。
漢方の血の働きは
- 皮膚と筋肉を滋養
- 各臓腑、各臓器の働きを支える栄養物質
- 精神を安定させる
不足か停滞かで必要な部位に血が循環していない為、この1、2の異常が顕著に出てしまっています。
考えると言う行動は血の循環を悪くします。
しかし、既に血の循環が悪くなっている方は3の機能が働きにくいので不安定になり、嫌でも考え事をしてしまい、考えることで更に血が循環しにくくなり、それによって更に3が機能しなくなると言う負のスパイラルにはまっていきます。

逆にいえば、血が供給できるようになれば皮膚、精神も安定していくので考え事、アトピー症状も少なってきます。
当薬局では漢方薬や健康食品を用いて血の循環の改善のお手伝いをさせていただいております。
辛い状況にお悩みでしたら一度ご相談ください。