中医学的な月経について②

前回の続きです。

月経とは「天癸・臓腑・気血・経絡が協力して子宮で行う生理現象」でした。

今回は月経と特に関わる臓腑(腎・肝・脾胃)について書いていきます。

ここについては前回の記事と合わせてご覧ください。

前回の内容は腎と天癸の関係についてでした。

腎は月経において天癸以外にも関係があるので、今回はそこについて触れいていきます。

素問という医学書には「精は化して気となる」とあり、精は気の大元と言う訳です。

例えば、元気が良いはつらつとした人は気で満ちていますが、これは大元に精が無ければ成り立ちません。

また、腎気も細分化すると腎陽・腎陰とあります。

この腎陽・腎陰は全ての臓腑の機能維持に必要不可欠なもので、ここがしっかりしていなければ臓腑は働く事が出来ません。

今から他の臓腑を挙げていきますが、それらは間接的に腎の関与を受けた上で働くものと考えられます。

脾胃

脾胃は後天の本と言い、水穀(飲食物)を消化吸収し、体内に運ぶ事で生命を支えます。

他は腎や肝のみの説明で行われますが、脾胃だけ脾と胃がくっついて説明されます。

この理由は脾胃のメインの働きは水穀(飲食物)の消化吸収ですが、それらは脾・胃それぞれ単独の機能では行えず、協力して行う事で成り立つためです。

しかし、それぞれの機能について単独で説明しなければ違いが分かりにくいので、ここでは分けて説明します。

この説明について諸説ありますが、私が支持している説は胃で消化し、吸収できる様になったものを脾が全身に運ぶと言う説です。

それでは食べたものが消化吸収されるまでの流れを解説していきます。

まず、飲食物(水穀)は胃に受納されると腐熟・降濁機能を使い、脾と小腸に送られます。

これでは意味が分かりにくいので、かみ砕きます。

飲食物が入ってきた時点では、人には吸収できる形ではありません。

その形に変える作業が胃の腐熟作用です。

そうして人が吸収できる形となったもの(水穀の精微)は脾に送られます。

一方で不必要なものもありますので、それは小腸に送られます。

これが胃の主な働きです。

そして、脾はその取り出した精微を全身に送る働きがあります。

もしこの機能が無ければ、取り出したものの運べませんので全身にとっては意味がありません。

この脾胃の協力して取り出し、巡らせる水穀の精微は気血津液、生命維持の原料です。

それほど大切なものですので、後天の本と呼ばれます。

脾胃は婦人科疾患においても、

「婦人の経水と乳は、ともに脾胃により生じる」

と呼ばれる程関係の深いものです。

肝は働きとして ①疏泄作用②蔵血作用 があります。

①疏泄作用

これは気を全身に巡らせる機能となります。

この疏泄の異常は不足・過剰の二つの問題があり、それぞれ使われる生薬も変わってきます。

現れ方は様々ですが、

疏泄が不足して気が流れないと、気持ちがスッキリしなくてふさぎ込んだり、身体では胸が張る・脇腹が痛むなどが起こります。

過剰だと、怒りっぽくなったり気は上に行く性質があるので、身体では上部に症状が起こります。

例えば耳鳴り・頭痛・吐血・鼻血などの症状が起こります。

婦人科においても月経のコントロールが狂い、月経周期がバラバラになったり、生理痛が起こったりします。

②蔵血作用

肝は血を蔵すと言われ、血をため込んだり、必要に応じて排出します。

例えば婦人科において、病態で肝陰不足と言う状態では、血が不足しています。

女性が妊娠を望む場合、月経が整っている必要がありますが、血の不足は月経が少なくなったり、酷ければ無月経になります。

 

この様に肝は婦人科においても重要な器官で、妊娠の確立を上げるには①疏泄②蔵血機能 の両方が整っている必要があります。

 

今回の記事では、特に月経と深く関わるとされる臓腑を書いていきました。

しかし実際は、中医学では人の心身は繋がって成り立っているので、ここまで教科書通りにはいきませんし、イレギュラーケースも多く見られます。

今回はあくまで特に繋がりが深いとされている臓腑のみを書いていきました。

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