亜鉛の働き

亜鉛

くるみ薬局で販売している「アルフラット」の主要成分「亜鉛」について解説してみます。

亜鉛は、原子番号30の「金属元素」で、元素記号「Zn」と表記します。

金属としては、紀元前4000年から銅との合金である黄銅(真鍮:しんちゅう)として用いられており、身近なものでは5円玉があります。

また、トタンと呼ばれる屋根材は鋼板に亜鉛をメッキしたもので、電池の電極や金型の製造、亜鉛の蒸気を酸素と反応させて顔料や医薬品や化粧品など、船舶の防蝕など様々なものに利用されています。

そして、亜鉛は「必須微量元素」として人体にとっても欠かせない栄養素となっています。

必須微量元素とは

必須元素とは、人間の生命維持に欠かせない元素のことで、12種類の主要元素と15種類の微量元素に分けられます。

その必須微量元素のひとつが「亜鉛」で、鉄の次に多く体重70 kgの人に平均2.3 g存在しています。

亜鉛の役割

人の体での亜鉛の役割は様々ありますが、主な働きは以下のようなものです。

酵素の構成成分

酵素(こうそ)とは、生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子で、亜鉛は100種類以上の酵素のタンパク質の特定部位と結合して活性の中心を担っています。

特に、核酸・蛋白・糖・脂質の代謝やDNA・RNAの合成に関与する酵素に不可欠で、生体機能に重要な役割をはたしています。

ホルモンへの働き

亜鉛は、ホルモンの合成や分泌や機能にも働き、特に性腺ホルモンやインスリンの機能に重要な役割をはたしています。

亜鉛は、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞におけるインスリンの合成や貯蔵や分泌に関わっているため、亜鉛が不足するとインスリンの分泌が不足し血糖値が上昇し、糖代謝異常の要因の一つになると考えられています。

また、ごく最近になって、肝臓内でインスリンが酵素によって分解されることを亜鉛が抑制しインスリンの分泌量を調整していることもわかってきました。

成長・発育への働き

亜鉛は、核酸や蛋白合成などに関与し成長や発育に不可欠な微量元素で、亜鉛が欠乏すると発育不全や骨格奇形、関節炎の発生頻度が増加したり骨粗鬆症などの症状が現れることが知られています。

皮膚代謝への働き

亜鉛は皮膚の新陳代謝に作用し創傷の修復促進作用などがあり、亜鉛華軟膏などの薬にも配合されています。

また、亜鉛が欠乏すると皮膚炎や発疹、皮膚の創傷回復遅延や脱毛などの症状が現れる場合があります。

感覚機能への働き

亜鉛は味覚や嗅覚など感覚機能にとっても重要で、特に舌の味蕾を形成する成分のひとつで唾液にも含まれています。

亜鉛不足になると唾液中の亜鉛含量も低下し、味蕾の形態的変化も起こることから味覚障害となることがあります。

亜鉛の推奨量

「日本人の食事摂取基準2010年版」によると、亜鉛の1日の摂取推奨量は成人男性で11~12㎎、成人女性で9㎎(妊婦+2㎎/授乳婦+3㎎)となっていますが、平成21年の国民健康・栄養調査では、男性が平均8.8 mg、女性は平均7.3 mgの摂取で亜鉛不足が指摘されています。

ということは、日頃から亜鉛を補給することが健康維持につながるとも考えられますね。

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