貧血は特に女性に多い症状で、重症の場合は医師から鉄剤を投与されることがありますが、貧血全体の60%~80%を占める「鉄欠乏性貧血」は、日頃の食習慣など生活習慣を改善することで予防することができます。
食事の改善
1日3食の規則正しい食事
特に思春期や若い女性の貧血原因として多いのが、朝食抜きや必要以上のダイエットです。
また、好き嫌いによる偏食やスナック菓子などの多食、インスタント食品の多用も注意が必要です。
貧血の予防には、まず1日3食の規則正しい食事と偏食や減食や欠食をしないことです。
栄養バランスの良い食事

貧血の予防には、1日3食の規則正しい食事に加えて栄養バランスの良い食事を摂る必要があります。
ご飯やパン、めん類などの「主食」と、魚介類や肉類、卵や大豆製品などの「主菜」、野菜や海そう類などの「副菜」、その他に乳製品や果物などを組み合わせて栄養バランスの良い食事を摂ることです。
特にタンパク質は、血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となるため、毎食摂ることをおすすめします。
鉄分不足を補う
鉄欠乏性貧血では、1日3食の規則正しい栄養バランスの良い食事に加えて、鉄分不足を補う必要があります。
食品に含まれる鉄分には、肉類や魚介類に含まれ吸収率の良い「ヘム鉄」と乳製品や青菜に含まれ吸収率のあまり良くない「非ヘム鉄」があり、鉄分補給には良質な動物性たんぱく質をビタミンCと一緒に食べるとさらに吸収率が高まります。
日々の食事の中で、できるだけ鉄分の多い食品を取り入れましょう。
以下は、「五訂増補日本食品成分表」から抜粋した鉄分を多く含む食品の一覧です。
食品名 | 鉄(mg/100g) |
---|---|
あさり水煮缶詰 | 37.8 |
豚レバー | 13.0 |
鶏レバー | 9.0 |
牛第三胃(センマイ) | 6.8 |
調整牛乳 | 6.5 |
しじみ生 | 5.3 |
ちょうせんはまぐり | 5.1 |
卵黄 | 6.0 |
うなぎ肝 | 4.6 |
あかがい生 | 5.0 |
食品名 | 鉄(mg/100g) |
---|---|
ほしひじき | 55.0 |
あまのり、焼きのり | 11.4 |
いりごま | 9.9 |
切り干し大根 | 9.7 |
ほそめこんぶ素干し | 9.6 |
パセリ葉生 | 7.5 |
あずきさらしあん | 7.4 |
カットわかめ | 6.1 |
黒砂糖 | 4.7 |
大根葉生 | 3.1 |
成人女性での推奨摂取量は、月経時で10.5mg~11.0mgとされていますが、充足率は60%~70%となっており、この表のような鉄分の多い食品を摂ることを心がける必要があります。
ビタミン類
巨赤芽球貧血(悪性貧血)は、赤血球が造られるときに必要な「ビタミンB12」や「葉酸」が不足することで赤血球が減少しておこる貧血ですが、ビタミンCは食品中の鉄が体で利用されるためになくてはならないものですし、ビタミンCを多く含む新鮮な野菜や果物を一緒に食べることによって、非ヘム鉄の吸収率を高めることができます。
また、別項で詳しく解説いたしますが、漢方薬も貧血を改善するものがいくつかありますので、お悩みの方は一度くるみ薬局にご相談ください。