
貧血の症状としては一般的に「めまい」や「青白い顔色」などがありますが、案外、寝不足や疲労などと思い込む場合も多いのではないでしょうか。
しかし、その貧血が子宮筋腫や腎臓の障害など、また場合によっては「がん」が原因ということもあり注意が必要です。
「貧血の種類と原因」で解説しましたが、貧血にはその原因によっていくつかの種類がありますので、それぞれの症状について解説していきます。
鉄欠乏性貧血の症状
鉄欠乏性貧血(IDA)は貧血全体の60%~80%を占め、ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足してヘモグロビンが作られなくなるためにおこる貧血で、その結果、体内への酸素供給量が減ることによって症状が現れてきます。
- だるい、疲れやすい
- 顔面の蒼白
- めまい・動悸・息切れ
- 頭が重く感じる
- 胸の痛み
- 食べ物が飲み込みにくい(鉄不足により食道が萎縮してしまうのが原因)
- スプーンネイル(爪が平らになったり反り返ったりしてしまう症状)
- 強い眠気を感じる(月経に伴う貧血で多い症状)
- 口内炎
- 氷を無性に食べたくなり、食べてしまう
再生不良性貧血
再生不良性貧血は、骨髄にある「造血幹細胞」が減少することで「赤血球」「白血球」「血小板」全ての血球が減る病気で、他の貧血には無い症状もあります。
- だるい、疲れやすい
- 顔面の蒼白
- めまい・動悸・息切れ
- 風邪を引きやすい
- 皮下出血
- 歯肉炎
- 鼻血
再生不良性貧血では自覚症状が気付きにくい場合も多く、進行してしまうと命に関わる重大な状態になってしまいます。
巨赤芽球貧血(悪性貧血)
巨赤芽球貧血(悪性貧血)は、赤血球が造られるときに必要な「ビタミンB12」や「葉酸」が不足することで赤血球が減少しておこる貧血です。
- だるい、疲れやすい
- 顔面の蒼白
- めまい・動悸・息切れ
- 食欲不振や消化不良
- 舌の炎症(舌乳頭萎縮)や口内炎
- 手足の痺れ
- 皮膚の感覚麻痺
- 排尿障害
- 記憶障害や痴呆の症状
悪性貧血での記憶障害や痴呆の症状は、早期に適切な治療を行えば回復しやすいのも特徴です。
溶血性貧血
人間の赤血球の寿命は約120日ですが、この寿命が異常に短縮した場合に起こる貧血です。
- だるい、疲れやすい
- 顔面の蒼白
- めまい・動悸・息切れ
- 黄疸
- 脾大(脾臓が腫れて大きくなる)
- 骨の変形
- 腹痛や胆石発作
腎性貧血
腎性貧血とは、慢性腎不全など腎臓の障害によって発生する貧血です。
症状としては、一般的な貧血と同様で特徴があまりないので注意が必要です。
- だるい、疲れやすい
- 顔面の蒼白
- めまい・動悸・息切れ
- 吐き気
- 食欲不振