中医学の考える下痢の捉え方

腹痛

下痢がつらい…

お腹が緩く排便回数が多い辛い下痢。

自宅にいる時はまだ良いのですが、外出時になるとトイレが近くに無い状況も沢山あるので悩まされます。

治すためにあれやこれやと試すのですが、なんだかんだでいつもカバンに下痢止めが入っている状況が続いている方も多くいます。

そんな辛い症状をお持ちの方はぜひ一度中医学の治療を試してください。

良くなって喜ばれている方が沢山います。

この記事では下痢を治す時に中医学ではどう考えるか簡単にご紹介します。

中医学では下痢をどうかんがえるの?

昔の人も下痢には大いに悩まされていました。

そしてそれに対して色々な手段で治してきました。中医学ではその膨大な量の臨床経験を整理し、今に至るまでその治し方がしっかり伝えられています。

まず、

  • 排便回数が多い
  • 大便が泥状か薄く、酷ければ水下痢が勢いよく出る

これは泄瀉と呼ばれる状態です。

勢いが緩い時は「泄」、勢い良く出る時は「瀉」と呼ばれます。

泄瀉を少し専門的に言えば、多くは何らかの原因により脾胃の運化機能が失調している状態です。

運化の意味は 運…運送 化…消化吸収 で、食事・水を消化吸収して体内に運びます。

この消化吸収・運送機能が失調している為に下している状態です。

その脾を弱らせる原因は(寒湿・湿熱・食滞・肝気乗脾・脾胃虚弱・腎陽虚衰)と様々あります。

診断でそれを確定させ、当てはまる漢方薬・日常対策などで治していきます。

西洋医学では、感染性腸炎・過敏性腸症候群・吸収不良症候群などが泄瀉に当てはまります。

泄瀉のタイプ分け

診断で使っている内容の一部です。

問診ではこのような内容も必ずチェックします。

①寒湿タイプ

現れる症状:大便薄い・酷いと水下痢・腹痛・お腹が鳴る・食欲無し・お腹の上の方のもたれ・悪寒・発熱・鼻詰まり・頭痛・全身だるいなど

原因:寒いところにずっといたり、生ものや冷たいものを食べ過ぎて寒邪が脾を傷めた状態。

②湿熱タイプ

現れる症状:切迫感があり、臭いの強い下痢・スッキリ出来らない・便色は黄色っぽい・肛門に熱感がある・口が渇く・舌のコケの部分が黄色く、厚みがある・煩熱・尿量減少し色が濃いなど

原因:夏場の影響などで湿熱が脾胃を傷つけ、運化が悪くなり、他にも大腸の伝導機能にも影響した状態。

③食積タイプ

現れる症状:大便が腐った卵の様な臭い・腹痛があるが、出ると無くなる・酸っぱくて匂うゲップが出る・お腹が塞がった感じがする・食事量が減るなど

原因:食べ過ぎで未消化物が胃腸に停滞し、運化・伝導機能が失調。

④肝気乗脾タイプ

症状:ストレス、激怒、緊張時など情緒不安定になると下痢する・腹痛・お腹から音が鳴る・ゲップが出る・食欲少ない方・腹直筋の緊張がある

原因:肝の疏泄機能が失調し、脾に影響して運化機能を失調させた状態

⑤脾胃虚弱タイプ

症状:食欲無し・太れない・お腹の上の方に張った感じがある・顔色が黄色い・非常に疲れやすい・体力が無い・油っぽいものが食べれない

原因:脾胃が虚弱なので、運化できない。

⑥腎陽虚衰タイプ

症状:下痢が明け方に多く腹痛を伴う・お腹が冷えている・膝腰がだるく無力・全身冷え性など

原因:腎陽虚の為脾胃を温める事が出来ず、運化出来ない

 

以上6タイプが泄瀉には存在します。

実際は他の症状なども混じり複雑化しているケースも多々ありますが、これらは処方を組み立てる際にとても役立つ認識です。

どんな事が原因か判断出来なければ処方を組み立てる事も出来ません。

しっかり考えられ、組み立てられた漢方処方は下痢症状にとても良い成果を出していますので、是非一度お試し下さい。

下痢症状の改善だけでなく、その他随伴症状も改善してくれるので快適な毎日を過ごしやすくなります。

 

参考文献:

[標準]中医内科学

中医内科学ポイントブック

全訳 中医診断学

全訳 中医基礎理論

中医基本用語辞典

 

 

 

 

 

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