中医学的な月経について

月経のトラブルは漢方相談で非常に多くみられます。

状態が悪いと日常生活にまで悪影響を与えたり、赤ちゃんを望むご夫婦にとっても深刻な問題となります。

婦人科疾患を中医学の治療で治す場合は、月経を西洋医学的ではなく中医学的に捉える必要があるのでその認識をご紹介させて頂きます。

専門的な単語が沢山出てくるため分かりづらいかと思いますが、西洋薬の治療とは全然違うとの認識を持っていただければ十分ですし、中医学に興味を持っていただけるきっかけの一つになれば幸いです。

中医学では月経をどう捉える?

月経とは何か?これを一番簡単に言い表せば、

天癸・臓腑・気血・経絡が協力して子宮で行う生理現象」と説明されます。

なので月経に異常がある場合、これら4つに異常が無いか考え、治療を行います。

ここではその一つ、天癸について書いていきます。

天癸について

天癸は「男女問わず人体の成長・発育・生殖に影響する陰精の一種」と言われます。

今回は月経との関連を書いていくので、生殖に深く関わるものと捉えるだけで大丈夫です。

天癸は腎気を源として発生し、これが月経に直接的に関わる衝・任脈と言われる脈を盛んになり、月経が訪れます。

腎気を源とするので腎気に左右されます。

いきなり腎気とか言われても、そもそも腎気って何?となりますね。

腎は人にある内臓の一つです。

腎はしまい込む性質を持ちます。

月経と直接的に関係あるのは「腎は精を蔵す。」と言われる働きです。

つまり腎は精をしまい込んでいる訳ですが、この精が変化して腎気となり、天癸を起こします。

この腎のしまい込んでいる精には ①先天の精 ②後天の精 と二種類あります。

①先天の精

これは人間の大元と言えるものです。

まず、私たちの誕生は、お父さんとお母さんの精が結合する事で、人間を作る大元となる先天の精が誕生します。

イメージしやすいので、精子(お父さんの精)・卵子(お母さんの精)と捉えても大丈夫です。

生まれた先天の精は人間が精神・肉体を成長させていく為の大元の物質となります。

この授かった精の量が多ければ、知能・肉体の発達が早く、衰えにくく長寿になると言われます。

②後天の精

先天の精が成長・発達を左右するとの事でしたが、それのみではいけません。

先天の精を源に成長・発達していくには飲食物も必要です。

飲食物からは、水穀の精または後天の精と呼ばれるものが取り出されます。

いくら先天の精を沢山授かり、元気に生まれても飲食物を全く途絶えさせてしますと身体・精神共に発達しにくくなります。

 

この腎の蔵する二つの精が合わさる事で人体が精の恩恵を受けれる様になり、精を大元に天癸→衝任脈満ちる→月経の流れが出来ます。

年齢を重ねると月経が無くなる理由

年齢を重ねると閉経しますし、そうなると基本的には妊娠できなくなります。

この現象は素問と言う昔の医学書に書かれており、

これは腎気の衰えによるものとの事です。

腎気は生まれた当初はまだ未熟で、段々成熟していくとされます。

女性では基本的には14歳で天癸が発育・成熟する事で任脈が通じ、太衝脈が旺盛になる事で月経が起こる様になるとあります。

これは腎気が一定ラインまで成熟し始めた為です。

そして49歳になると任脈が空虚になり、太衝脈が衰え、天癸が尽きて閉経を迎えるとあります。

まれにいつまでも子供を生める人がいますが、その方は先天の精を人より多く授かっており、腎気が有り余っている為とも言われます。

これは逆に腎気は衰えていくものである事を指しています。

ここからも先天の精が旺盛だと衰えにくく、長く妊娠が可能だと分かります。

では、先天の精は生まれ持ったものなので、弱ければ諦めるしかないのか?というとそういう訳でもありません。

年齢を重ねたり、先天的に虚弱生まれたとしても漢方薬にはその働きを強めるものがあります。

直接診ない限りは強く言えませんが、不妊治療中で流産癖があり、不正出血などが起こりやすい方は腎の治療をすれば不妊治療の成功率が上がるかもしれません。

当薬局ではそのような漢方薬の取り扱いもございますので、是非ご相談下さい。

病院と並行しての治療も可能です。

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