寒熱とは、漢方での病気の性質を現す概念で、陰陽のバランスが乱れて起こります。
寒熱は必ずしも体温とは関係がなく、体温を測って平熱よりも高い場合でも漢方的な意味では体が冷えていると判断されることもあります。
全身や手足の冷えや冷感、冷えによる痛みなどの症状を示すものを「寒証」といい、身体のほてりや熱感、顔面紅潮などの症状を示すものを「熱証」といいます。
では、寒証と熱証は具体的にどのような場合でしょうか。
寒証
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熱証
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顔色は青白い | 顔色は赤い |
手足や体幹は冷たい | 手足や体幹は温かい |
寒さを訴え温かくすることを好む | 暑さや熱っぽさを訴える |
飲食物も温かいものを好む | 咽が渇き冷たい飲食物を好む |
唾液は清澄で多い | 唾液は少ない |
小便は透明で回数が多い | 小便は色が濃く少ない |
腹が冷えて下痢しやすい | 便秘しやすい |
脈は遅、舌質は淡 | 脈は数、舌質は紅 |
陰陽と寒熱
陰陽については別項で解説しましたが、簡単には、陰とは体を冷ます作用で、陽はその反対で体を温める作用と考えられます。
そのバランスが崩れて「寒証」と「熱証」が現れますが、大きく以下のような4つに分かれます。
平
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実寒
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実熱
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虚寒
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虚熱
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陰陽が拮抗
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陰が強い
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陽が強い
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陽が弱い
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陰が弱い
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