漢方とは、古代中国で発祥し5~ 6世紀頃日本に伝来したとされる中国系伝統医学の総称です。
日本伝来後、その風土や気候、日本人の体質に合わせて独自の発展を続け、特に17世紀頃に体系化され大きく発展し、日本独自の伝統医学となりました。
「漢方」と呼ばれているのは、日本へ伝来した西洋医学である「蘭方」と区別するために用いられたもので、中国の伝統的医学「中医学」とは異なります。
漢方では、心身全体の調和をはかり、人間が本来もつ自然治癒力を発動させるようにすることを目的としており、対症療法が中心の「西洋医学」との大きな違いとなっています。
漢方医学の考え方
漢方医学では、個人の体質や体のバランスを重視して診断を行うことを大切にしています。
その考え方として、
- 陰陽(いんよう)
- 虚実(きょじつ)
- 表裏(ひょうり)
- 寒熱(かんねつ)
- 五臓(ごぞう)
- 気血水(きけつすい)
などが用いられます。
「陰陽」「虚実」「表裏」「寒熱」は、その人の体質や体力、抵抗力や症状の現れ方など状態の個人差をあらわす「証(しょう)」を見分ける基準となります。
「五臓」とは、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」を指し、これは現代医学の肝臓や心臓などとは違います。
漢方の五臓の呼称が、現代医学の臓器名に引用されたのです。
五臓は、それぞれがバランスを取り合い、体全体が元気に働くように調節しています。
「気血水」とは、不調の原因を探るためのものさしで、私たちの体は3つの要素が体内をうまく巡ることによって健康が維持されていると考えられています。
詳細については、また別項にて解説いたします。