生薬解説 淫羊藿

生薬の解説を行っていきます。

漢方薬は生薬が集まって出来たものなので、生薬一つ一つの理解は選薬する上で必須の条件です。

今回は淫羊藿について書いていきます。

まずは頭に馴染みやすくする為に本草鋼目にある淫羊藿の名前の由来を書いていきます。

淫羊藿を食べる動物は精力が凄い事になる

この植物は和名ではイカリソウと呼び、中国では淫羊藿と呼ばれます。

今もいるかどうかは分かりませんが、昔の中国には淫羊という動物がいました。

その動物はとてもお盛んで、一日百回性交します。

淫羊の性の秘密は何なんだろうと考えたところ、この藿(くわく)を多食するからだという事が分かりました。

なのでこの植物には淫羊藿と言う名前が付けられています。

そんな化け物みたいな動物がいるのかと突っ込みたくなるところですが、昔の人は誇張する時も多々あるので気にしてはいけません。

大事なところは淫羊藿には性を盛んにする働きがあるという事実です。

淫羊藿は日本人男性にこそ必要

日本人は先程のエピソードを聞くと人によっては若干嫌悪感が生まれる方も一定数いらっしゃるかもしれません。

しかし、こういった生薬は少子化や晩婚化が問題になっている日本人男性に大変役立つと思います。

人間は年齢と共に腎という機能が衰えると中医学では考えます。

腎は五臓六腑より精を受けて蔵する場所ですので、年齢と共にこういった機能も衰えていきます。

するとインポテンツ・精液漏れ・早漏など精に関わる問題が起きます。

この様な状態では腰の症状も出やすくなりますね。

腰は腎の府と言われ、腰にも腎の影響が現れやすい場所なので、腰のだるさなども出現します。

もちろん子供が出来ない=腎の問題と言った暴論は成り立ちませんが、腎が占める割合は大きなものです。

淫羊藿は補腎壮陽強筋骨作用をもちますので、こういった問題に対処できます。

状況に合わせて様々な使い方が出来ますので、これから子作りを考えている方で、精についてのお悩みの方は考慮してみても良いと思います。

分かりやすくするために男性に役立つと書いていきましたが、状況に応じて女性にも使用されます。

処方された際は安心して服用して下さいね。

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