生薬解説 黄耆②

前回の記事の続きです。

黄耆には脾気虚による出血を収める力があるとの事でした。

中医臨床のための中薬学という本でも黄耆の効能として補気摂血作用が記載されており、

血便・不正性器出血・皮下出血などに人参・白朮・当帰などと使用すると記載があります。

代表処方は帰脾湯ですね。

日本でもとても有名な方剤です。

では、この黄耆を使って不正出血を止めた症例を見てみましょう。

症例①

患者:老婦(年齢不詳)

症状:月経期以外の大量出血、その他不明

処方:生黄耆・当帰身各1両、桑葉14片、三七細末3銭

経過:2剤で止血、4剤でその後再発無し

症例②

患者:女性(年齢不詳)

症状:月経が止まらず、意識朦朧。呼吸低下。6脈全て微かに拍動を感じる程度。

処方:生黄耆・野台参・山茱萸各1両、煅竜骨・煅牡蛎各8銭

経過:どの程度使ったか不明だが、数時間で止血し、意識回復。その後半量にし、山薬1両加えて全快。

以上の様に黄耆は脾虛の出血に有効である事がわかります。

疲れやすく、パワーがないタイプの不正出血には頻用されていますね。

こういったものはあまり西洋薬に見られない薬ですね。

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