虚実(きょじつ)とは漢方の重要な概念で、基本的な体力や体格などの質的な充実を表現する「ものさし」と考えられ、「実証」と「虚証」に分けられます。
- 実証
- 体力が充実しすぎた状態。
- 病毒が体内にあっても精力や体力が抵抗できる状態。
- 虚証
- 体力が少なすぎる状態。
- 体内の病毒に対してそれに対抗する精力、体力が乏しくなった状態。
このように、虚証と実証は「患者さんの見た目」で、例えば、一見したところ「やせ細っていて抵抗力のなさそうな人」は「虚証」の人となり、「体格ががっちりして抵抗力のありそう人」は「実証」の人となります。
虚証と実証はのバランスは体の状態や病気の進行具合によって変化し、特に慢性疾患を抱えている場合「虚」と「実」のバランスが変化することが多く見られます。
虚証と実証のイメージ
虚証
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実証
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疲れやすい | 疲れにくい |
食欲が少ない | 食欲がある |
胃腸の状態がよくない | 消化吸収の能力が高い |
下痢をしやすい | 便秘になりやすい |
筋肉質 | やせ、水太り |
脈の力が弱い | 脈の力が強い |
症状は比較的弱くて穏やか | 症状は比較的強くて激しい |