
便秘は特に女性に多く、日本人の女性のおよそ半分が多かれ少なかれ便秘に悩んでいると言われています。
また、女性とは少し違う要因での男性の便秘も少なくないようです。
便秘とは、
と日本内科学会では定義されています。しかし、毎日1回の排便でなければならないというものでもなく、人によってサイクルはそれぞれで、便が出なくても腹部に不快感がなければ便秘ということにはなりません。
便秘の種類
便秘の種類は、大きく分けて「器質性便秘(続発性便秘)」と「機能性便秘(特発性便秘)」の2種類があり、一般的に便秘という場合は「機能性便秘」のことです。
器質性便秘
「器質性便秘」は、胃や小腸、大腸や肛門などの消化管に障害がある場合や病気で大腸が正常に働かない場合、大腸が形成異常を起こしている場合などになる便秘です。
便に血が混じっていたり、極端に細かったり平たかったり、便の色が黒や灰色、赤など普通ではない場合は、病院で診察してもらう必要があります。
機能性便秘
一般的に便秘といわれる「機能性便秘」には、さらに種類があります。
一過性便秘
ストレスはその人によってまちまちですが、例えば仕事でのプレッシャーや出張や引っ越しなどの環境の変化などが考えられます。
食生活では暴飲暴食やダイエットなどによる食習慣の突然の変化など、また妊娠したり、月経の前にも発症する便秘で、便秘そのものによる苦痛はほとんど伴わず、原因となることが解消されれば自然に治ります。
習慣性便秘
習慣性便秘は、さらに細かく以下の3種類に分けられています。
- 痙攣性便秘
- 痙攣(けいれん)性便秘は、精神的ストレスや環境の変化、過敏性腸症候群などによって副交感神経が過度に興奮することで腸管が緊張し過ぎ便がスムーズに運ばれなくなり、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプです。
- 弛緩性便秘
- 弛緩(しかん)性便秘は女性や高齢者に多く、運動不足や水分不足、食物繊維不足や腹筋力の低下、極端なダイエットなどによって腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が弱り大腸内に便が長く留まり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプです。
- 直腸性便秘
- 直腸性便秘とは、便が直腸付近にたまってなかなか出てこなくなっている便秘です。
仕事が忙しかったり、不規則な生活などにより便意を繰り返し我慢する状況が続くと、次第に直腸から脳へ便意を伝達する神経が鈍くなり、便が長く腸内に留まり硬くなってしまうタイプです。
また、直腸の神経の鈍化は、下剤や浣腸などを多様することでも起こります。