
脂質異常症(高脂血症)は、血液中の脂質であるコレステロールや中性脂肪が多過ぎるか、または善玉コレステロール(HDL)が少ない病気のことで、国内では潜在患者も入れると2,200万人にもなると言われています。
その原因から見ると、最も多いのは「生活習慣に起因する脂質異常症」ですが、その他にも少数ですが「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる遺伝的要因によるものや他の疾患や異常に起因する「二次性脂質異常症」に分けられます。
生活習慣に起因する脂質異常症
脂質異常症の原因の多くは「食生活」が考えられますが、特に高LDLコレステロール血症や高トリグリセライド血症は食生活が直接的な原因の場合が多いようです。
高LDLコレステロール血症の原因
高LDLコレステロール血症の原因としては、肉類や乳製品など動物性脂肪の多い食品、鶏卵や魚卵やレバーなどコレステロールを多く含む食品の食べ過ぎや、慢性的なカロリー過多などが考えられます。
低HDLコレステロール血症の原因
低HDLコレステロール血症の原因は、善玉(HDL)コレステロールが減ってしまうことですが、その要因として運動不足や肥満、喫煙などがあげられています。
高トリグリセリド血症の原因
高トリグリセリド血症の原因としては、食べすぎや飲みすぎ、甘いものや脂肪分の多い肉類など高カロリー食品の摂り過ぎによる慢性的なカロリー過多が第一に考えられ、特にアルコールの飲み過ぎに注意する必要があります。
家族性高コレステロール血症
家族性高コレステロール血症は、遺伝的要因による悪玉コレステロール(LDL)の代謝異常などが原因で起こる脂質異常症で、治療回復が困難な場合が多いとされています。
家族性高コレステロール血症の場合には動脈硬化への進行が早く、食事などによる自己管理だけでなく病院を受診し、医師による治療や指導が必要となります。
二次性脂質異常症
二次性脂質異常症は、他の病気や薬が原因となって起こるタイプの脂質異常症で、原因となっている病気を治療したり薬を変えたり止めたりすることで脂質異常症を改善できる場合もあります。
原因となる病気には、甲状腺機能低下症や肝臓病、腎臓病や糖尿病などがあり、薬ではステロイドホルモン剤や利尿薬、避妊薬などがあります。