C型肝炎の概要

C型肝炎の概要

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症するウイルス性肝炎の一つで、かつては輸血による感染が多く、国と製薬会社を相手とする訴訟も起こされています。

C型肝炎患者の約30%は治癒しますが、約70%の患者さんではウイルスの持続感染による慢性化がみられ、慢性化すると20~30年後に肝硬変や肝がんへ移行する場合もあり、また肝臓がんの原因の約80%がC型肝炎ということからも注意が必要です。

C型肝炎ウイルス

C型肝炎ウイルス

C型肝炎ウイルス

C型肝炎ウイルスはRNAという遺伝子をもっており、10種類以上の遺伝子型が発見されていますが、日本では「1b型」が約70%と一番多く、「2a型」約20%「2b型」が約10%となっています。

C型肝炎の治療では「インターフェロン(IFN)」という薬を使用する場合が多いのですが、一番多い1b型は効きが悪く、20%の2a型はインターフェロンの効きが良く、10%の2b型はこの中間であることがわかっています。

C型肝炎ウイルスの感染経路

C型肝炎ウイルスは感染者の血液を介して感染しますので、その感染経路は限られていますが、以下のように案外多いのです。

  • 輸血や血液製剤の投与
    • 1992年以前の輸血、1994年以前のフィブリノゲン製剤、1988年以前の血液凝固因子製剤などでは、ウイルスのチェックが不十分だった可能性が指摘されています。
  • 臓器移植
  • 適切な消毒をしない器具を使っての医療行為
  • 民間療法
  • 刺青(イレズミ)やピアスの穴あけ
  • 麻薬、覚せい剤の回し打ち
  • 感染者との剃刀(かみそり)や歯ブラシの共用

このような感性経路の他に、極まれに出産や性交渉での感染の可能性があるといわれています。

しかし、他人の血液に直接触れることが無ければ、通常の生活の中での感染のおそれはまずないと考えられますので、握手や抱擁、食器の共用や入浴での感染の心配はありません。

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