高血圧には、原因が特定できない「本態性高血圧」と何らかの特定される原因があって高血圧となる「二次性高血圧」の2つに大別されます。
二次性高血圧は、高血圧全体の5%程度ですが、若年の重症高血圧者での頻度は50%以上にもなります。
二次性高血圧の種類と原因
腎性高血圧
腎性高血圧は、その名の通り腎臓の異常が原因でおこる高血圧で、二次性高血圧の約4分の3を占めています。
腎性高血圧を起こすのは「急性腎炎」や「慢性腎炎」、「糖尿病性腎症」や「痛風腎」などの腎臓の疾患がおもなものです。
これらの疾患によって腎臓の中を流れる血液の量が減少すると、腎臓は「レニン・アンギオテンシン」や「アルドステロン」という血圧を上昇させる物質の分泌量を増やすため血圧が上昇してしまいます。
内分泌性高血圧
内分泌性高血圧は、ホルモンの分泌異常をきたす疾患が原因でおこる高血圧で、「バセドウ病」などの甲状腺機能亢進症でおこることが多いのですが、「原発性アルドステロン症」や「褐色細胞腫」、「クッシング症候群」などの副腎の病気が原因の場合もあります。
心血管性高血圧
心血管性高血圧は、心臓からすぐの太い血管である「心血管」の疾患が原因でおこる高血圧で、「大動脈縮窄症」や「大動脈炎症候群」などがあります。
神経性高血圧
神経性高血圧は、脳や神経の疾患でおこる高血圧で、「脳腫瘍」や「髄膜炎」などによる脳圧亢進や脳血管障害時にもみられ、過換気やパニック障害による血圧上昇もこれに含まれます。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は、妊娠にともなっておこる高血圧で、母体年齢や初産婦、肥満や妊娠初期の血圧などによってなりやすいとされていますが、その原因は明確にはわかっていません。
本態性高血圧の原因
原因がよくわからないのが「本態性高血圧」ですが、遺伝的素因に成長過程や高齢化するまでの食事やストレスなどの様々な要因が重なり高血圧が発生すると考えられています。
本態性高血圧の原因としては、以下のような事が推測されています。
- 遺伝
- 両親の一方か両方が高血圧であると高血圧を発症しやすい傾向にあります。
- 食塩の過剰摂取
- 食塩の過剰摂取によって血中のナトリウムが過剰となり、体液量が増加して高血圧を来すと考えられています。
- 肥満
- 運動不足
- 喫煙
- ストレス
- 多量の飲酒
以上の項目のいくつかにあてはまる人は、せひ一度血圧を測ってみてください。