よく、胃腸の調子が良いと「健康」といわれるように、健康を維持するためには「胃腸」の調子を整えることが大切です。
しかし、胃腸の調子が良いと判断できるのは「食欲がある」「むかつきもない」「下痢や便秘もない」「痛みもない」などで全て自己判断になりますが、東洋医学の考えでは「虚弱体質」「冷え症」「皮膚が弱い」なども胃腸が関係していると考えます。
東洋医学では、胃腸は飲食物を消化吸収しエネルギーを作り、そのエネルギーをさらに肺へ送り「気・血・津液(しんえき)」に変化させて全身に送り出す「気・血・津液」全体の補充と運行に欠かせない臓器と考えます。
ところが、胃腸はデリケートな臓器なので、ストレスや疲れ、飲み過ぎや食べ過ぎなどによってすぐに調子が悪くなります。
また、胃腸自体には何も感じなくとも「気・血・津液」に悪影響を及ぼします。
「気・血・津液」に悪影響が出るということは、気の滞りが生じたり、血の巡りも悪くなり水分代謝異常にもつながって冷えの症状が起こりやすくなります。
特に水分の摂り過ぎや冷たい飲み物や冷たい食べ物は禁物です。
漢方では「胃を冷やすことは消化機能を低下させる大きな原因になる」と考えています。
時期によれば湿気が生じることで冷えの症状が悪化したり胃腸風邪の原因にもなります。
胃腸が丈夫だから胃腸には症状がないといっても安心はできません。

特に冷たい飲み物は注意して下さい。
胃袋の下の臓器は子宮です。
骨盤内にある子宮の血液のめぐりも悪くなります。
知らず知らずに現代人は体を冷やしているのです。
また、冷えは腎(腎臓)とも深い関係があります。
現代医学での腎臓は、尿を作り老廃物を除去し水分調節や血圧の調整などする臓器ですが、東洋医学の腎(腎臓)は生命力、成長、生殖能、水分代謝の調節や骨、髪、耳にも関係があると考えています。
そして、腎は寒さに弱く腎が衰えエネルギーが不足すると冷えを生じます。
また、腎は加齢とともに弱ります。
18歳~25歳ぐらいは腎のエネルギーは満ち溢れ潤いもあり妊娠しやすい時期とも言えますが、それ以上の年齢で妊娠がしにくい方は漢方薬などで腎を補うことが大切です。
胃腸と腎臓を丈夫にして妊娠しやすい体つくりには、「当帰養血精」「扶陽理中」「回陽救逆」「鹿茸大補湯」「療方昇陽」などの漢方薬や「亜鉛食品」などが良いとされています。
日常生活で腎を養う食物としては、「黒い食べ物」や「粘りのある食べ物」です。
黒砂糖、黒ゴマ、黒豆、黒米、黒キクラゲ、ひじき、ワカメ、山芋などがあり、また大豆、栗、みそ、魚介類なども腎に良い食物です。
症状がある方は食物だけでは相当な時間がかかりますので、近道は漢方薬が一番です。
不妊症や冷えにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。