
最近増加傾向の「不妊症」の原因として「卵子の老化」が問題視されています。
なぜ卵子が老化し、それが不妊とどのような関係があるのでしょうか?
卵子は精子と出会い、やがて妊娠となるのですが、その前に卵子には入念な準備期間があります。
10代前半の第二次性徴期では神秘的な卵子の成長が始まります。
卵子は卵巣に数多く存在しています。
成長を始める卵子は周りを特殊な細胞に囲まれて原始卵胞となっています。
始めは40万個ある原始卵胞は少数ごとに1ヶ月のサイクルで成長していき、やがて中に液体の溜まった「胞状卵胞」になります。
約28日の月経周期の始まりには、成長を促す脳からの「卵胞刺激ホルモン」(FSH)に反応して成長していきます。
やがて、成長の速い力強い胞状卵胞だけが残り、ホルモンへの反応が鈍い胞状卵胞は消滅していきます。
卵胞刺激ホルモンを受け取った胞状卵胞は後に別のホルモン、エストロゲンを合成します。
血中に分泌されたエストロゲンは脳を刺激して、脳から大量の「黄体ホルモン」を(LH)を放ちます。
黄体とは破壊された胞状卵胞が変化し出来るもので、黄体ホルモンが勢いのある力強い成熟した胞状卵胞を壊して卵子を卵巣の外に放出します。
卵巣は卵管につながっていて、卵管の先には子宮があります。
卵子は卵管で受精すると分割を繰り返しながら、その先の子宮に進み子宮の壁にくっつき着床して妊娠が成り立ちます。
卵子は出生前に総て作られ、その後作られることはなく、加齢とともに減少していきます。
女性は生まれる前、母親のお腹の中で5ヶ月目のころが原始卵胞の数はピークとなり片側の卵巣に700万個、その後減っていき生まれる頃には100万個になり、出生して排卵の始まる頃には約40万個になるのです。
それ以後、毎月約1,000個の原始卵胞が成長して排卵される10個以外はすべて消滅します。
37~38歳頃から減り方は激しくなり、閉経を迎える50歳ころには1,000個以下になってしまいます。
卵子の老化のキーワードは活性酸素
卵子には、ほかの細胞よりもミトコンドリアが数多く存在することは知られています。
卵子が成長、受精、発生、着床するまでには、かなりのエネルギーが必要とします。
そのエネルギーの供給源は、卵子が発育する間に卵子内に蓄積された栄養素です。
卵子の老化に伴い、ミトコンドリアのDNAは減ってしまうようで、そのため十分なエネルギーがつくれなくなり、卵子の成熟や受精に障害がでると考えられています。
ミトコンドリアは卵子の栄養素を分解してエネルギーを得るときに活性酸素を作ります。
活性酸素は細胞内で働く様々な物質やDNAを傷つけます。
卵子は1回目の減数分裂の途中で長年停止したままなので、卵子のミトコンドリアDNAは長年の酸化ストレスにさらされて変異が蓄積します。
このためミトコンドリアは正常に機能できなくなります。
本来、ミトコンドリアの中ではSOD(スーパーオキシドジムスターゼ)といった酵素が働き、過剰な活性酸素を除去してくれます。
ところが、老化した卵子ではこの除去作用が低下してしまいます。
加齢により、つまり25歳よりも30歳、30歳よりも35歳の方が「活性酸素除去作用」が低下していきます。
また、現代人は社会的ストレスや生活環境、食事や睡眠不足等などで活性酸素が発生しやすく、加齢も加わることにより「卵子の老化・酸化」がますます進み不妊症のリスクも高まる一方です。
過剰な活性酸素を除去
最近では、健康食品でもその働きをするものが多く市場に出ていますが、現代人のミネラル不足のことを考えると「亜鉛」が良いでしょう。
亜鉛はミネラルの中で最も活性酸素除去作用が強く、卵子の栄養素としても高い位置をしめています。
また、妊婦の亜鉛不足も重要視されています。
そして、亜鉛は胎児~乳児、幼児の成長にもとても最重要なミネラルです。
不妊にも健康な子育てにも亜鉛は欠かせないということですね。
不妊でお悩みの方は、ぜひ一度くるみ薬局にご相談ください。