
男性不妊の原因として、
- 精子の数が少ない
- 精子の運動能が足りない
- 精子の奇形が多い
などがこれまで考えられていました。
ところが、2014年2月に成育医療研究センターと東京大学の合同チームが、もうひとつの原因を米国科学アカデミーに発表しました。
【趣旨】
精子の細胞膜を保護する成分が精巣で作られ、それによって子宮内での攻撃から守られているのが正常で健康な精子であり、細胞膜保護成分で守られていない不健康な精子が多く存在する可能性がある
という内容です。
不健康な精子では当然、妊娠がうまくいかない可能性が高いわけです。
残念なことに、今の検査では「精子の細胞膜を保護する成分」があるか無いかを測定できません。
これまでの検査方法では、妊娠不可能な不健康な精子が正常な健康な精子と診断され、「男性には問題ない」と診断されているケースも多いと考えられます。
このことによって、「隠れ男性不妊症」の存在が明らかになったということです。
厳しい自然摂理の神秘
精子は子宮内に入ると子宮内で攻撃を受けます。
立派な生命を宿し優秀な子孫を残すためにすためだと考えられています。
つまり、子宮は攻撃をしながら優秀な精子とそうでない精子を判断し選別を行っているのです。
まさに、神秘であり自然の摂理の厳しさです。
精子の細胞膜を保護する成分と亜鉛
精巣には亜鉛が多く含まれ、それを元に精子を作りますが、同時に「精子の細胞膜を保護する成分」も作ります。
卵子にたどり着く「優秀な精子」を作るためには「精子の細胞膜を保護する成分」を作る必要があります。
セメノゲリン1,2(Semenogelin-I, II)
「精子の細胞膜を保護する成分」は、セメノゲリン1,2(Semenogelin-I, II)と言う成分で、構造の中心が亜鉛で出来ています。
また、精子も亜鉛によって作られますので、精巣に亜鉛が充分にないと正常な健康な精子は出来ません。
現代男性は慢性的に亜鉛欠乏状態なので、正常な健康な精子が作られていない可能性があるのです。
これが「隠れ男性不妊症」の正体だと考えられます。
亜鉛による不妊症の解決策
このようなことから、不妊で悩んでいるカップルが亜鉛によって解決することが期待できます。
- 男性側に原因があることが判明している
- 女性か男性か原因がわからない
- 女性側に原因があることが判明している
→直ぐに亜鉛、セレン投与を開始しましょう。
→亜鉛、セレンの集中治療を男女双方で開始しましょう。
→亜鉛の投与を始めましょう。
不妊治療の基本は男性も女性もしっかりした体作りが大切です。
お悩みの方は、ぜひ一度くるみ薬局にご相談ください。