正常な排卵が行われている健康な女性の生理周期内では、基礎体温は「低温期」と「高温期」に分かれた2相性になります。
ところが、基礎体温が低温期と高温期の2相にならず1相性のものを「無排卵性周期」と言い、排卵を伴わない病態のことで「無排卵性周期症」と言います。
日頃から基礎体温を測っていないと、無排卵性周期症に気づかずに異常がないと思い込んでしまう人も多いのです。
無排卵性周期症には、
- 毎周期に無排卵の「持続無排卵周期症」
- 時々無排卵周期になる「散発無排卵周期症」
があり、1ヶ月に何度も生理が来る頻発月経の人や、逆に月経周期がとても長い稀発月経の人は無排卵性周期症の可能性が高くなります。
無排卵性周期に気づかず放置していると、卵巣機能が次第に低下して「無月経」になり、その後に排卵することが難しくなります。
また、長期に渡る無排卵周期症の場合、将来の骨粗鬆症や子宮体がんの発生リスクを高める可能性もあります。
無排卵周期症の原因
卵巣機能は保持されていても排卵が起きない状態が無排卵周期症です。
その原因としては、無理なダイエットや強いストレス、過度のスポーツなどのほかに、月経不順や不妊を伴う「多囊胞性卵巣症候群」や「高プロラクチン血症」、「甲状腺疾患」などが考えられています。
また、生活習慣が不規則な人にも起きやすく、寝る時間や睡眠時間がバラバラであったり、食事が1日1回だったり暴飲暴食を繰り返すなど、過度の喫煙も無排卵性周期症の原因になることがあります。
無排卵周期症の治療
無理なダイエットや強いストレス、過度のスポーツなどが原因と考えられる場合は、その改善が第一です。
その他には、生理が終わった頃から服用し卵胞が成長するのを助けるクロミフェン療法で排卵を起こさせるのが一般的です。
また、排卵が難しい場合には、月経周期を整えるためにピルや黄体ホルモン剤を服用して人工的に生理を起こさせ、卵巣機能の自然な回復を期待します。