私たちの体の中では、血液によって酸素と栄養分が隅々まで送り届けられています。
しかし、その血液の流れが悪くなり滞りやすくなったり、滞っている状態のことを瘀血(おけつ)と言い、様々な症状や病気を引き起こします。
では、瘀血によって起こる症状や病気にはどんなものがあるのでしょうか?
西洋医学では、それぞれの症状や病気そのものに焦点を当てて治療を試みますが、漢方ではそれらの原因が瘀血であれば、瘀血を改善してその結果症状や病気を治療します。
血管内の瘀血による症状や病気
瘀血が血管内に発生すると、血液の粘りが強くなり巡りが悪くなります。
血液の巡りが悪くなると、冷え症や肩こり、不眠症やイライラなどといった症状が現れます。

また、このドロドロ血によって動脈の弾力性が失われて硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が沈着して血管が狭くなる高脂血症から動脈硬化になったり、高血圧などになります。
そして、動脈硬化が進むと脳梗塞や心筋梗塞が起こり、命にかかわる場合もあります。
血管外の瘀血による症状や病気
血管外で発生した瘀血による症状でわかりやすいのは打撲などによる内出血がありますが、子宮筋腫などの女性の様々な病気にも深く関連しています。
例えば子宮内膜症という病気がありますが、これも血管外の瘀血が原因と考えられます。
女性の約90%では、月経血のごく一部が卵管から腹腔内に逆流しており、通常は免疫系のシステムによって排除されています。
しかし、この免疫系のシステムが上手く働かなくなると子宮内膜などが異常に増殖してしまい子宮内膜症となります。
瘀血による女性の症状や病気
女性のお悩みや病気の多くがストレスや血流、そして瘀血と深く関連しています。
中でも、多のう胞性卵巣(PCO)や黄体化非破裂卵胞(LUF)、前記の子宮内膜症や卵巣のう腫、子宮筋腫や内膜ポリープなどが瘀血と深く関連しています。
また、瘀血は不妊症の大きな原因のひとつと考えられています。
不妊症の女性の多くが基礎体温が低かったり冷え症であったりします。
西洋医学ではさほど問題視されていませんが、妊娠に至る過程の全ては健全な血流と適切な体温が大切だと漢方では考えます。
瘀血によるその他の症状や病気
その他にも「瘀血」が原因とされる症状と病気には様々なものがあります。
どんなものがあるのでしょうか?
まとめてみました。
全ての病気は瘀血からという漢方の考え方もあるくらい血液、血管がとても大切な器管です。
・肩こり ・頭痛 ・肌のくすみ、さめ肌 ・しみ、そばかす ・傷跡が治りにくい ・歯茎の色が悪い ・手足の冷え ・眼病 ・原因不明の関節痛 ・手足のしびれ ・生理痛 ・子宮筋腫 ・子宮内膜症 ・唇が紫っぽい ・足やお腹の静脈が浮き出ている ・痔 ・内臓にポリープがある 他
瘀血におすすめの漢方薬や健康食品
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冠心逐瘀丹(かんしんちくおたん)は、血液の流れが滞る「瘀血」の軽減と解消を目的とした漢方薬です。 中年以降又は高血圧傾向のある方の頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸の改善に効果があります。 |