不妊症の問題

不妊外来2年間で卒業

不妊症について、ある先生のセミナーでなるほどと思ったことがありました。

そして私たちの出来ることは何かを考えてみました。

不妊症ともつながる大きな問題の「少子化」は、先進国であるゆえの複合的な原因が絡む難しい問題です。

少子化の大きな要因の一つとして「出産年齢の高齢化」があります。

戦後以来、男女の平等意識が高まり、女性も大学進学や資格取得のため学校卒業時期が遅くなり、働き出す年齢も必然的に高くなってきました。

そして、仕事に慣れ必要とされる立場となり、その充実感や重要なポストに就くことなどにより、仕事を辞めるという選択ができ辛くなります。

また、生活費や養育費、現代の社会環境などを考えると、仕事を辞めて結婚に踏み切ることには大きな不安が付きまといます。

そして、このような内容がテレビや情報誌などのマスコミで頻繁に取り上げられています。

「しかし、それらが現実の全てでしょうか?」とその先生は話されました。

「色々な社会的理由で結婚、出産し辛い環境であることは確かですが、すべてそうではなく、意識的に結婚、出産を遅らせているのではないか?」

「その結果、高齢であるがゆえに妊娠が難しいのです。」

「結婚、出産を意識的に早めれば可能なのにもかかわらず、ゆとり社会が反映して『ギリギリまで独身時代を楽しむ』という意識が世間に蔓延しているようです。」

と、多くの女性の本音に切り込んだ話をされました。

本音にある、そのギリギリとは何でしょうか?

赤ちゃんが産める年齢だと思いますが、その年齢は35歳~40歳を指しているのでしょうか?

私たちから考えると、それは大きな間違いで、女性が出産しやすい年齢は20歳前半です。

30歳を過ぎると、既に妊娠は難しい年齢となり、出産の負担も大きくなるのです。

特に、35歳を過ぎての出産は、統計的から見てもリスクが大きくなり、元気な赤ちゃんを出産することが大変難しくなります。

「38歳で無事出産!」「43歳で元気な赤ちゃんを出産」などという情報を見ると、確かに喜ばしいことですが、実はほんの僅かな事例です。

現実には、このくらいの年齢になると大変難しいのです。

順風満帆な独身時代を送り32歳で結婚。

その後3年間は夫婦生活を楽しみ、35歳から子作りにと頑張ったのですがなかなか出来ず、40歳であきらめました・・・。

というような話を時々耳にします。

とにかく、事実を知って欲しいと考えるのです。

出産年齢は若ければ若いほど、生まれてくる赤ちゃんのリスクも少なく負担が少ないという事実です。

高齢でも出産出来るというのは、マスコミの偏った情報の影響に過ぎません。

この先生も「マスコミや情報誌の良い事例ばかりに惑わされず、妊娠、出産の意識を高めてほしい。」と話され、共感しました。

厚生労働省の2011年の調べによると、第1子出産時の母親の平均年齢が初めて30歳を超え30.1歳になりました。

さらに、2012年の第1子出産年齢は女性は30.3歳で男性は32.3歳と高齢化傾向が続く流れです。

ちなみに、1975年では女性25.7歳、男性は28.3歳でした。

このような流れに歯止めをかけることに、厚生労働省や地方自治体なども動いているようですが難しいようです。

「高齢だから妊娠しにくく出産のリスクも高い」という現実に直面して悩んでいる方は確実に増えています。

不妊治療も進化を続け、成果も年々高くなりつつあるようですが、それでもまだまだ高齢で妊娠し無事出産される方は少ないのです。

基本的には女性の意識が変わっていくことが少子化には大切だと考えますが、それでも私たちは不妊についてサポートを続けています。

私たちが行う漢方薬や健康食品中心としたサポートでは、若い時から比べれば体が衰えているわけですから、まず体の立て治しが必要と考えます。

そして、ご相談者個々に合った方法を選択していきます。

例えば、冷え症や生理不順があれば、そこにも焦点を当ててサポートし、めでたく妊娠される事例も多くあります。

西洋医学のピンポイント的な治療も良いのですが、漢方の考え方である「まず体全体を持ち上げていく力、言い換えれば恒常性を高めていくこと」が、妊娠しやすい体の基礎になります。

妊娠は目的ではなくスタートですから、基礎を固めてることで、出産のリスクも低くなり、胎児への栄養バランスも安心でき、大切なわが子の充実した子育てを始めることが可能になるのです。

長文となりましたが、漢方くるみ薬局スタッフブログ第一弾でした。

不妊でお悩みの方は、ぜひ一度くるみ薬局にご相談してみてください。

(延寿孝夫)

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